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ロットプランジャを元の位置へ戻す特性を速度トループと云う。
負荷が軽くなると機関の回転速度は上昇し、ウエイトの遠心力は大きくなり、コントロールランドを引き上げ、出力ピストン下部に働く油は逃げ圧力が低下する。戻しバネカにより出力軸と出力レバーは燃料減方向へ回され、速度ドループピン位置も下がり、フローティングレバーが下降し、調速バネカが増し、ウエイトの遠心力と釣り合いコントロールランドを押し下げ、ボールヘッドを閉鎖する。出力軸の回転角に対する速度の変化量は速度ドループピンの位置によって定まり、ウエイト方向に動かせば小さくなりパワーピストン方向へ動かせば変化は大きくなる。
(ガバナの点検整備について)
ガバナの故障は殆とが不同回転(ハンチング)として現れ、回転速度が整定できなくなる。その他の現象としてはスロー回転の整定不良、出力不足、オーバーラン(過同転)などがある。
ガバナスプリングの損傷やへたり、ガバナウエイトのピン、ブッシュ、ローラ摺動筒などの摩耗や、ベアリングの損耗等につき点検する。特に重量の大きなウエイトを使用している場合又は一定回転数で長く使用するものはその付近での局部的な摩耗が起こりやすいので特に注意して点検する。
又ガバナ自身の不具合以外にリンク機構の遊び、こじれなどがあるとハンチングやオーバーランの原因となるので、連結桿ピン部の摩耗、ガタなどの他、連結軸の曲がり、こじれ等につき調査し、不具合部品は交換又は修正し、円滑に作動するように調整する。
5) 自動進角装置(オートマチックタイマー)
燃料が噴射されてから着火するまでには多少の時間がかかり、この時間を着火遅れの期間と云っている。着火遅れの期間(時間)は機関の回転速度が変わっても余り変化しないため、高速回転になればなる程、着火遅れの期間にクランク軸は大巾に回転してしまうので、最適噴射時期を得られなくなる。そのために着火遅れの期間を予め予測しておき高速回転に合わせ、噴射時期を進ませてやらねばならない。しかし噴射時期を高速に合わせてしまうと中低速回転時には逆に噴射時期が早すぎてしまい最適噴射時期が得られない。
この問題を解決するために、高速回転になったとき噴射時期が自動的に進み常に最適噴射時期が得られるようにするために取り付けられているのが自動進角装置である。(構造反ぴ作動)
2・156図に示すような部品で構成されておる。ウエイトの一端に穴があり、この穴をハブのボルトに嵌め、ハブは燃料ポンプのカム軸に固定されてい亭。ドライビングフランジのジャーナルがウエイトの曲面に接しており、ジャーナルとボルトの間にスプリングが取り付けられている。ドライビングフランジはカム軸により駆動され、ジャーナ

 

 

 

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